悲しみジャニーβ版

ジャニヲタになるつもりじゃなかった飽き性こじらせBBAがジャニーズ楽曲についてひたすら壁打ちするよ!

Coming Century 『Hello Good-bye』 ソロCD盤 レビュー

総評

■彼らがアイドルであることを証明するに相応しい一枚。1990年代末~2000年代初頭の日本ポップス史/ロック史を掻い摘んだサウンドを軸に、時にキュートに、時にメロウに、時にセクシーに歌い上げた曲はどれもフレッシュ感に溢れている。そう、フレッシュなのだ。三十路前後の男達が歌っているとは俄かには信じがたく、カミセンがアイドルであることを否応なしに認識させられるのだ。森田さんなんかどうしようもなくヤンキー畑出身の元ギャル男だろうに、そんな彼のボーカルからもフレッシュ感が香るのだからプロのアイドルって凄い。

■欲を言えば、このアルバムでは森田さんのボーカルの攻撃性を拝みたかった。ジャックナイフのような切れ味をカミセンでも披露してくれよ! 通常盤にのみ収録されている「ファイト」で森田さんの本領が発揮されているのかな。そうそう、通常盤のジャケット、かわいいんだよなあ……と思うと、通常盤が欲しくなります。クソッ、avexさん商売上手。

 

 

ソロCD盤 1枚目 ディスクレビュー

M-1 Hello Good-bye

■三十路前後の男達に歌わせるのが酷と思われる程かわいらしいメロコア(っていうかこれメロコアじゃないな、日本ではメロコアと呼ばれてはいるが)。メロのかわいらしさにブーストされてキュートに歌うカミセンの演技力というか、秘められた表現力には恐れ入る。こいつらティーンじゃねえの? 本当に三十路前後なの? ベースがあんまり聞こえないのは私のしょぼいスピーカーのせいか。もうちょっと低音が欲しい。

■のっけから始まる岡田さんの舌ったらずな、関西イントネーションが垣間見えるラップは岡田担必聴! ここに岡田さんのかわいらしさが詰まってるぜ! 森田さんのグルーヴと岡田さんのグルーヴが異なるので比較するのは乱暴だが……森田さんほどキツく刻めていないように思う。それゆえ、一聴した限りでは曲にノりきれていないように感じられ*1、滑舌の悪さもあいまって、三宅さんとはまたジャンルの異なるキッズ臭が漂うのだ。ティーン臭ではなくキッズ臭。ここ重要。岡田さんかわいすぎだろ。天使か! そういや天使だったな!

■森田さんのラップもかわいすぎる。2バースの「押しても引いてもうんともすんともとっかえひっかえ手玉にとっても」の「"とっかえひっかえ"」の力の入れ方よ……惚れてまうやろー! ほんとここかわいい。森田さんもまた天使であった。

 

M-2 Break-out

■たとえるなら、「ハイスタ世代の男子中学生、男子高校生が仲間内でコピーバンドを結成して歌ってみた」。サウンドは安定のハイクオリティなのに、慣れない英詞で歌っている3人のボーカルが軽い軽い! 事務所が手配した曲を歌わなければならないアイドルの仕事って大変やな……。

■こういうサウンドを1990年代生まれが聴いたら、どんなリアクションをしてくれるのか気になる。若い子にとってはダサいサウンドなんだろうか。90年代後半のカルチャーで育った私が80年代サウンドに「だっせえ!」と一蹴するようなもんなのかな。あー、それともONE OK ROCKの亜種として捉えるのかも。

■この手の曲はアラサーの厨二病的な黒歴史を強制的に脳内に蘇えらせるので、ハイスタ世代の私には恥ずかしくてまともに聴けない。流行ったよね、90年代ってミクスチャーとかUKロックとかローファイとか流行ったよね! 中学生の頃、訳も分からずとりあえずRadioheadとかBeckとか聴き倒したもん! 実家の風呂場で湯船に浸かりながらBjorkのハイパーバラッド熱唱したもん! 高校の頃、無駄にヴェルヴェッツのTシャツ着てたもん!  BrahmanとかHasking BeeとかSnail Rampとか聴いてた同じクラスの男子は意外と多かったし! ああ、懐かしいし恥ずかしい。

 

M-3 手のひらのUNIVERSE

本作のベストトラック。AKIRASTARさんってもっとロック色の強い曲を手がけていらっしゃるイメージがあったのだが、こんな空間系をベースにしたバラードも作ってらっしゃると知って驚いた。私の知っているAKIRASTAR作の中では一番好き。騒がしいドラムが奥行きと広がりのあるドリーミーなロックサウンドと合っている。

■空間系エフェクトと相性ばっちりの三宅さんと、真っ直ぐにも横にも広がる岡田さんのために書かれた曲と断言してもいい。岡田さんの高音が伸びる、伸びるぜ! 岡田さんの美しいファルセット*2が響く、響くぜ! これはライブ会場で聴きたいなあ、絶対夢見心地になれる。ボコーダーがかかった三宅さんのトリッキーな歌声、そして岡田さんの伸びるボーカルが乗ったドリーミーな爆音が生で聴けたら……その心地よさを想像しただけでテンションうなぎ登りですよ。

■元祖サイケデリックな音響系バンド、Mercury Revのライブを生で観た時を思い出す。あの時は余りの心地よさが2日間連続で徹夜で仕事した体に直撃し、気持ちよく寝られて幸せになれた。ほんと気持ちよかった。爆音に身を委ねて寝られる幸せってそうそう味わえない。

 

M-4 Foget it all

Jazztronik作ということでワクワクしながら聴き始めたら……なんという「Move Your Body」! どうした野崎良太、私の知ってるJazztronikと違う! 楽曲制作のキックオフ時に「Move Your Bodyっぽいのお願いしますね」みたいな注文でもあったのだろうか。歌詞にも「Move Your Body」って入ってるし。

■それにしても、泣く子も黙るシカゴハウスのアンセム中のアンセムをジャニーズ歌謡として見事にリエディットした彼の仕事は評価されるべきだ。ライブで聴きたら踊りまくるわ。

■森田さん、三宅さん、岡田さんのボーカルが三者三様のハマり方をしているのが面白い。各々の特徴を書き出してみたい。

 森田剛さん
ダンスミュージックの「踊らせるための機能」としての要素を引き立てるかのように、ボーカルがサウンドに溶け込んでいる。こんなシンガー貴重ですよ貴重。ほんと天才だなこの人! DJとコラボすればいいのに。Mondo GrossoUABoA降谷建志とコラボしてたアルバムに森田さんがいたら……とか、そんな妄想が捗る捗る。
Next Wave

Next Wave

 三宅健さん
彼の声が入る/入らないで曲の雰囲気というか、曲の締まり方が変わるという謎仕様が好きすぎる。いいぞもっとやれ! ほんとエフェクティヴな声をお持ちなんだなあと改めて痛感。
 岡田准一さん
岡田さんのボーカルの伸びる要素より広がる要素がフィーチャーされているからか、三宅さんとはまた別ベクトルで曲の持つ "顔" を増やしている。エンジニアさん、ナイスミキシング!

 

M-5 想いのカケラ

■メロウなギターロックと岡田さんの相性の良さに驚いた。そしてこんなメロウな曲もモノにしてしまう三宅さんの全くブレないボーカルも素晴らしい。ほんっと三宅さんはブレんな。V6メンバーによる三宅さんの評価「彼は変わらない」は、こういう点からも伺える、と踏んでいる。彼の "ブレない" は「良くも悪くもいつも通り」ではなく、少なくとも楽曲にとってはプラスに働いているから面白い。

■カミセンの曲のタイトルはカタカナが多かったり、「かけら」が多かったりするイメージがあるな。余談だが、「夏のかけら」という曲がカミセンの曲である事実を数日前に知りました。衝撃だよ……ジュニアの曲じゃねえのか……。「Can Do! Can Go!」がV6の曲と知ったときも驚いたけども。

 

M-6 Precious Song

■こういう軽やかで爽やかなポップスから80年代臭を断ち切れるカミセンの90年代ストリート感は、当時のジャニーズとしては新鮮だったのではなかろうか……と一瞬考えたけど、SMAPが既にオザケンもビックリのフィリーソウルをやってましたね。やっぱSMAPは偉大だわ。もう彼らはリビング・レジェンドですよ。トニセンが歌ったら絶対80年代臭がするんだろうな。トニセンはトニセンで古きよきジャニーズを体現できる貴重な人材だ。

 ■森田さん……あなたは神か。「誰の目に映りこむようなメロディ」の「よう "な"」で強めに歌ってらっしゃる森田さん……あなたは神か。ほんと、このアクセントが神がかっている。彼は凄い。凄すぎる! こういう神業を他の曲でもガンガン聴きたかった。

■正直に申し上げると、この曲自体、アルバムのシメとしては弱い。飲み会の最後にラーメンやご飯もの、デザートを注文せずに解散する物足りなさと似たような感覚に陥った。恐らく、通常盤に収録されている「ファイト」が本来のアルバムのシメなのだろう。これは「お前ら通常盤も買えよ」というavexの思し召しか。

 

 

ソロCD盤 2枚目 ディスクレビュー

M-1 You Are My Everything / Go Morita

■リズミカルにR&Bを歌えるジャニーズは森田さんだけ! パーカッシヴなボーカルとメロディアスなシーケンスの相性は抜群。柔らかい音の数々が森田さんのボーカルのスイートな部分を引き立てている。高音を引き立てるための高音かあ……このアプローチは見事。

■しかし、曲のインパクトが森田さんのボーカルより弱いとは一体どういうことなの。せっかくのソロ曲なのに、『Oh! My! Goodness!』で味わえたエッジがほぼほぼ感じられないなんてもったいない! もうちょっと尖がったトリッキーな曲で歌う森田さんが聴きたかった。尖ったR&Bは幾らでもあるはず。

 

M-2 4U / Ken Miyake

■三宅さんもまさかのR&B! 2枚目ディスクの中では一番好きだ。ビートがよい。

■カミセン名義のソロだからこんな爽やかR&Bが歌えるのかなあ。爽やかなメロと吐息が多めのボーカルが軽やかさを演出していますね。歌い方がいつもと違うのは、そういうディレクションがあったからだろうか。ちょっとコミカルな妖精キャラに徹する三宅さんが本気を出したらめっちゃセクシーなんですね。

 

M-3 Shall We Love? / Junichi Okada

■V6の「GUILTY」程ではないにせよ、元ネタが分かりやすい。ところどころで挟ってくるJustin Timberlake「Sexy Back」のコーラス "Take it to the bridge" っぽいのがじわじわくる。なんて言ってるのかな……一度だけ挟まる剛健コンビの "Take it to the future" が別ボーカルで全編に渡って挟まっているのか? あと、リズムトラックもどっかで聴いたことあるんだよなあ。何だろうこのデジャヴ。

■このトラックを岡田さんに渡したスタッフ判断に拍手。いろんな意味で力の入ってないボーカルが弦楽器のように伸びるため、メロディアスなシーケンスは不要なのだ。ビートとリズミカルなストリングだけのトラックで岡田さんの良さが味わえる貴重な一曲。

 

 

その他

■下記URLの「Hello Good-bye」レビューも面白いです。ただし、全部英語で書かれていますので注意。

■下記エントリのレビューで一番笑ったのは、「三宅健が10歳児の声を持っていることはよく知られているが」というくだり。さすが世界の健ちゃん(36)、海外の方とってあのアニメ声は10歳児のそれと変わらないのか。あと、通常盤のみ収録されている「ファイト」のレビュー「最後の30秒がひどい(要約)」が私に通常盤を買えとせかしている。どのくらいひどいのか逆に興味あるわ。

Baby girl, you blow my mind. [Coming Century’s Hello-Goodbye] | 無礼講⇒ナイト

 

*1:いや、岡田さんはリズム感のよい人ですよ。リズム感がよくないと名優になれません。

*2:

上記エントリで「岡田さんのファルセットが聴ける曲を教えて下さい」という要望にコメント欄で答えていただき、誠にありがとうございます。無事美しいファルセットが拝めました。