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悲しみジャニーβ版

ジャニヲタになるつもりじゃなかった飽き性こじらせBBAがジャニーズ楽曲についてひたすら壁打ちするよ!

V6 『Oh! My! Goodness!』 通常盤 レビュー

総評

■ダサい音で大人気ない悪ふざけを極めても圧倒的かっこよさを放てるのはV6だけ! 間違いなく名盤。文句なしの傑作。こんなん聴かされたら次回作が待ち遠しくなります。次回作ェ……次回作が聴けるのは何年後ですか! 来年にでも聴きたい! っていうか今すぐ聴かせろこの野郎! 無茶を言っているのは百も承知ですよ。

 

■往年のファンにケンカをふっかける勢いで体を張って挑戦しまくっているのが本作の醍醐味ではなかろうか。無難な着地点、無難なカッコよさに収まることなく、むしろ「ああでもねえ、こうでもねえ」とトライ&エラーを繰り返しながら突き詰めたであろう結果がこのクオリティであると仮定するならば、スタッフを含むプロジェクトV6のプロジェクトチームは相当信頼に厚く、チームメンバー同士が互いを刺激をし合っていて、チームとして円熟期を迎えているのでは、と勝手な妄想をしてしまいたくなるほどだ。

 

■逆に言えば――社会人であれば身に染みるほど経験していらっしゃるだろうが――プロジェクトチームの信頼関係が強固なものでなければ、既存製品の大規模改造を試みたところで、確実に失敗するのだ。メジャーバージョンアップはプロジェクト発足時(本記事でいうところの『Oh! My! Goodness!』製作開始時)こそ危険であり、この辺りで既にコケる要素が幾つも誕生する。V6に立ち返れば、「kEEP oN.」が好例だ。この曲の完成まで5ヶ月ほどを費やされたそうだが、結果としてコケるどころかエポックと呼ぶべき名曲にまで仕上げたV6とスタッフのパワーと能力には恐れ入る。こんなプロジェクトチームメンバーと働いてみたいぜ……。中年になっても挑戦を恐れないV6には「かっこいい」以外の言葉が見つからない。私もこういうBBAになりたいものである。

 

■サウンドにおいては「ボーカル入りの曲は全てインストも買わせてくれ!」とavex traxジャニーズ事務所に喚き散らしたくなるほど濃いトラックばかり。いや、サウンド自体はもれなく、この上なくダサい! 心して聴かなければダサすぎて聴いていられなくなる曲が多い。しかし、関ジャニ∞経由でジャニーズ歌謡を知って一年が経とうとしている現在、ジャニーズ歌謡ならではのダサさに耐性がついてしまったおかげで、あからさまにダサい要素がないJ-POPに興味がなくなってしまった。

 

■V6のメンバーが楽曲制作にかなり関わっていると聴いているが、V6メンバーが、とりわけV6の外交官であらせられる井ノ原快彦さん a.k.a イノッチがどの程度楽曲製作に関わっているか気になる。そして、KinKi Kidsに負けない機材をお持ちと聞いて、イノッチが所有するスタジオがどれくらい豪華なのか本当に知りたい。ProToolsを持っていらっしゃることは下の記事で知れてよかった。余談だが、MPC使いのTOKIO長瀬智也さんは、今はもうパソコン制作に移行してらっしゃるのだろうか。

 

 

 

通常盤 ディスクレビュー


M-1 omg!

■初っ端から聴こえる子供の声は反則やで……かわいすぎる。「今から80年代ディスコはっじまっるよー!」という三宅健さんの声が聞こえそうなアシッド・サウンドでの幕開けに初っ端から期待値が上がる。

 

M-2 Supernova

■120点のリードトラック。アタックの強いコッテコテなシンセがまたV6らしくてよい。こんな難しい歌が歌えるV6はアイドルのレベルを越えている。

森田剛さんのグルーヴには感動さえ覚えたが、岡田准一さんもしっかり刻める人なんだなあと窺い知れてよかった。ラテンテイストが混じるBパートの刻みっぷりも相当だが、歌唱力において安心と信頼のトニセンが歌うことによって安定感がもたらされるという……何この仕様。何度も言うが、もうアイドルってレベルじゃねえぞ!

 

M-3 BING♂

■初めて聴いた時はあまりのダサさに震えたが、『Oh! My! Goodness!』にはもっとダサさを極めた伏兵に恐れおののくことを当時の私は知る由もなかった。タイトルのダサさがさすがジャニーズ、80年代ファンク(っていうかプリンス)を現代の機材でリアレンジしたかのようなサウンドと、おっそろしく難解なメロはもはやジャニーズのレベルを超えている。これをライブで歌えるV6は凄い。

■この曲のMVPは確実にイノッチ。まるでプリンスのような美しいファルセットを聴かせて頂けるとは。何この人、天才かよ……。イノッチのよさは、あさイチで魅せる人柄だけではないということか。

■井ノ原さんの過密労働っぷりに隠れているが、森田さんのラップも素晴らしい。三宅さんののっぺりとした声も面白いは面白いのだけど、森田さんはタメといい発声時の吐息の量の調節といい、もう本当に神がかっている。森田さんもまた天才なんだよなあ……。V6って恐ろしい人材の集まりなんですね。

■あと、長野博さんを隠れMVPとして推したい。「♪どんな人生もいつか BINGO!」と声を張り上げる長野さんのかわいらしさにキュン! 長野さんに濃いヲタが多い理由を垣間見た気がした。嵐における大野さんとか、NEWSにおけるマッスーとか、関ジャニ∞における丸山さんとか、Hey! Say! JUMPにおける有岡さんとか、濃いヲタホイホイ枠なんだろう。

 

M-4 Sexy. Honey. Bunny!

■タイトルの元ネタが『パルプ・フィクション』における名台詞「I love you, honey bunny.」と知って驚くなど。元ネタはきっと映画監督でお馴染みのヴィンセント・ギャロが、天才あるいは変態としか契約しないことで有名なイギリスの老舗インディーズ・レーベルWarp Recordsからリリースした『When』に収録されている「Honey Bunny」だと勘違いしていた。プログレオタクで機材オタクでもあるギャロが作った『When』は音作りからして変態で、終始退廃的な雰囲気に包まれており、ギャロに興味をお持ちでない方も一度聴いていただきたいくらい素晴らしいです。もしかしなくてもヴィンセント・ギャロの「Honey Bunny」も元ネタはパルプ・フィクションなんだろうな。

■サウンドに関しては、小道具と化したカウベル(?)が好き。この手のパーカッションは間の抜けた雰囲気になりやすいだけに扱いが難しいが、この曲では間が抜けてナンボだと思うので、割と素直に扱われている点が好感度高し。

 
M-5 Maybe

■散々悩んだが、本作のベストトラックはこれにしたい。音数が少ないトラックを無条件で好きになる私には堪らないのだ。

■この曲のMVPは間違いなく森田さん。出だしのヴァースが完璧すぎて……もうね……! 何なのこの人! 正直、森田さんは「学校へ行こう!時代=ギャル男」「最近=ジャニーズというよりEXILE TRIBE」というイメージしかなかった私は、彼を完全に舐めていた。音数の少ない、いい意味でスッカスカなトラックでハネて歌う森田さんのリズム感は一体何なの! 彼は間違いなく天才ですよ。曲を完全に理解しているというか、どんな曲でもカウントを正確に取れるというか、独特のリズム感をもっているのだろう。森田さんの歌は「歌っている」というより「リズミカルにビートを刻んでいる」に近い。同じメロを歌っていても森田さん以外のメンバーはちゃんと歌っているように聞こえるが、森田さんはリリックを乗せているように聞こえるのだ。もう凄いわ……こんなパーカッシヴな人いませんよ。

■トラックに関して。これ、どれも音がクリアに処理されているからR&Bとして聴こえますが、ヴァース部分はBPMをいじったり、サウンドにいろいろエフェクトを施したら、MySpaceがミュージシャンの名刺として用いられていた時代(2008年前後)に流行した宅録っぽい音になって、また趣が変わりそう。

 

M-6 only dreaming

■メロウなミディアムバラードの後ろで鳴るエフェクトがめちゃくちゃ気になる。トラックが本当に凝ってるよなあ。曲も素敵。

■Bメロのコーラスが凄いんですがそれは。誰が担当しているのだろうか。

 

M-7 D.I.S

■だっせええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ダサすぎてダサすぎて震える(©西野カナ)ほどダサいシンセで幕を明けるディスコチューン。のっけからダサすぎて鳥肌が立った。驚くほど80年代ディスコなところがジャニーズグループらしくてよい。スラップを効かせたベースがファンキーさを醸し出してますよね、これはいい。

■この曲のMVPは長野さんでしょう! 長野さんのボーカルと80年代ディスコサウンドの相性が異常に良いのはなぜなんだぜ。ボーカルに透明感があるから、小うるさいディスコにもなじむのかな。肌の奥まで浸透する化粧水、というたとえはちょっと変か。

 

M-8 エキゾチック・トリップ

■これもダサいけど、前トラック「D.I.S」に比べれば……でもダサい! 恐ろしくダサい! 国籍不明の縦ノリなサウンドと出だしの歌詞「かき混ぜたジャンクフード」が嫌という程マッチしている。曲の頭とケツがシルクロードを感じさせる倍音でシメるこの謎仕様。

 

M-9 バリバリBUDDY!

■なんという関ジャニ∞テイスト! 「どうしてこうなった」タグを付けるべき壮大なネタ曲。ただ、コミックソングとして処理するにはもったいない。右往左往する忙しいアレンジだが、インスト聴いた限りではトータル面白いのですよ。

 

M-10 大人Guyz

■このファンキーさ大好き! これは本当に名曲だと思う。正直、ベストトラックに挙げるか否かで迷いに迷った。Pファンク魂が炸裂してたかどうかはさておき(Pファンクってファンカデリックほどではないにせよ、そこそこどぎつくファンク)、ポップネス溢れるオケ、そしてポップネスを支えるファンクネスがいいバランスで鳴っている。ファンク・サウンドが際立っていた当初の仕上がりを、三宅さんの提案によりポップスに近づけることとなったそうで、三宅さんの選択は正しかったと言えよう。

■歌詞と言いサウンドと言いミュージックビデオと言い、トータル遊び心に満ち溢れているが、決して子供っぽくないところが素晴らしい。Perfumeの振り付け師MIKIKO先生のお言葉をお借りするならば、「大人のチャーミング」をV6が試してみたという感じ。いやほんと魅力的です。

■大人GuyzはGraham Central Station「Pow」のような雰囲気があるという記事がタワーレコード札幌ピヴォ店のブログに掲載されていましたので、取り急ぎ紹介しておきます。確かにPファンクよりこっちの方が近いわ。

 

M-11 ROCK YOUR SOUL

■このダサさ……さすがジャニーズ! 最高の歌唱力やダンススキルを兼ね備えていたとしても、やっぱりジャニーズ! 腐っても彼らはジャニーズ! 何にダサさを覚えているのか分からないので整理したい。まずメロ。ロック歌謡が既にいい意味でダサさを引き出している。あと、アレンジ。ここまでダサくせんでもというギターリフとシンセ。このアレンジ以上にもっと隙間なく音が詰まっていたら……そう、それは浅倉大介坂本昌行さんの歌唱力が影響して「♪ROCK YOUR SOUL~!」がB'zっぽくなる点もかわいらしいじゃないか。ほんと坂本さんかわいい。One Dishかわいい。

■ダンサブルなロックものならTriceratopsや10年前に流行したポストパンク・リバイバルみたいな荒削りなサウンドの方が好きという個人的好みも相まって、好きか否かで訊かれたら否ですが、こういう曲は坂本さん&井ノ原さんの伸びるボーカルの聴き応えがあって、V6としては絶対必要。

■しかし三宅さんのボーカルは切り込み隊長としての役割を十二分に果たしていますね。曲を切り裂くキャラメルボイスはもはや武器。

 

M-12  線香花火

■想像以上にストレートなバラードで驚いた。ジャニーズのアルバムにありがちなバラードではないにせよ、捻りに捻った曲が多いからか、後に控えている「kEEP oN.」に備えてここらで一休みという意味も込められているのだろうか。

■長野さん&イノッチのコンボの美しさたるや。もちろん坂本さんのボーカルも美しいんですが、ヴァース1の美しさはマジヤバい。結論としては、トニセンマジヤバい。

 

M-13 親愛なる君へ

■80年代ディスコに乗せる歌詞じゃねえぞ! ディスコ歌謡には違いないのに剛健コンビのラップパートで突然90年代にタイムスリップするのが面白い。岡田さんもいい感じに90年代に戻してくださるラップでしたが、井ノ原さん担当するラップパートが若干80年代に戻るのも面白い。

■80年代ディスコ歌謡と長野さんの相性がよすぎてめまいがしている。長野さんって本当に80年代の方なんですね。こりゃすげえわ。

 

M-14 kEEP oN.

■問題作にして傑作。シングルでなければ迷わずこれをベストトラックとして挙げていた。

■制作期間5ヶ月という、たった一曲のプロジェクトにしては余りにも長すぎる工程から生み出されたとは思えないほどロック・オペラとして完成されている。ロックオペラをアイドルが歌うのだから、そしてアイドルが歌いこなしてしまうのだから、この曲はJ-POP史を越えて日本音楽史に残したい事件だ。エレクトロをベースに、オペラを頭をケツに配置されたことによって曲を引き締める弾き語りパート、ミュージカル仕様(ほんとこれは事件)、豪華なオケと共に披露される合唱曲のようなポップス仕様、剛健コンビお得意のラップパートが縦横無尽に飛び交っている。「何か面白いことを仕掛けてやろうぜ!」がまんま形になったというべきか、パンドラの箱を開けたかのように予期せぬ楽曲が目まぐるしく展開された結果、最後に残るのは「俺の/私の知ってるV6と違う……」と度肝を抜かれたリスナーだけだ。

■この手の曲にありがちなヒャダイン的パッチワーク感がない辺りさすが。ヒャダインは異なるジャンルの短めの曲をミシンを使って超高速で縫い上げるパッチワーク感ゆえにリスナーを疲れさせるきらいがあるが、kEEP oN.は相当練られていると言うか、DJがイベントに向けて制作するリミックス曲(というかマッシュアップか)に近いものがある。これ、歌割りにしろ曲展開にしろ、相当計算されてるぞ。そのため、あちこち曲のテイストが飛んでも壮大な一曲として聴けてしまうのだ。

■とりあえず発想の元ネタとして提案されたらしいプリンスの曲を貼っておきますね。

 

M-15 orz...

■公式が作ったMADの音声部分キター! 映像部分は初回盤に収録されているのだろうか。Perfume非公式MADの「俺ロコモコ丼」を思い出しました。