悲しみジャニーβ版

ジャニヲタになるつもりじゃなかった飽き性こじらせBBAがジャニーズ楽曲についてひたすら壁打ちするよ!

Coming Century 『Hello Good-bye』 ソロCD盤 レビュー

総評

■彼らがアイドルであることを証明するに相応しい一枚。1990年代末~2000年代初頭の日本ポップス史/ロック史を掻い摘んだサウンドを軸に、時にキュートに、時にメロウに、時にセクシーに歌い上げた曲はどれもフレッシュ感に溢れている。そう、フレッシュなのだ。三十路前後の男達が歌っているとは俄かには信じがたく、カミセンがアイドルであることを否応なしに認識させられるのだ。森田さんなんかどうしようもなくヤンキー畑出身の元ギャル男だろうに、そんな彼のボーカルからもフレッシュ感が香るのだからプロのアイドルって凄い。

■欲を言えば、このアルバムでは森田さんのボーカルの攻撃性を拝みたかった。ジャックナイフのような切れ味をカミセンでも披露してくれよ! 通常盤にのみ収録されている「ファイト」で森田さんの本領が発揮されているのかな。そうそう、通常盤のジャケット、かわいいんだよなあ……と思うと、通常盤が欲しくなります。クソッ、avexさん商売上手。

 

 

ソロCD盤 1枚目 ディスクレビュー

M-1 Hello Good-bye

■三十路前後の男達に歌わせるのが酷と思われる程かわいらしいメロコア(っていうかこれメロコアじゃないな、日本ではメロコアと呼ばれてはいるが)。メロのかわいらしさにブーストされてキュートに歌うカミセンの演技力というか、秘められた表現力には恐れ入る。こいつらティーンじゃねえの? 本当に三十路前後なの? ベースがあんまり聞こえないのは私のしょぼいスピーカーのせいか。もうちょっと低音が欲しい。

■のっけから始まる岡田さんの舌ったらずな、関西イントネーションが垣間見えるラップは岡田担必聴! ここに岡田さんのかわいらしさが詰まってるぜ! 森田さんのグルーヴと岡田さんのグルーヴが異なるので比較するのは乱暴だが……森田さんほどキツく刻めていないように思う。それゆえ、一聴した限りでは曲にノりきれていないように感じられ*1、滑舌の悪さもあいまって、三宅さんとはまたジャンルの異なるキッズ臭が漂うのだ。ティーン臭ではなくキッズ臭。ここ重要。岡田さんかわいすぎだろ。天使か! そういや天使だったな!

■森田さんのラップもかわいすぎる。2バースの「押しても引いてもうんともすんともとっかえひっかえ手玉にとっても」の「"とっかえひっかえ"」の力の入れ方よ……惚れてまうやろー! ほんとここかわいい。森田さんもまた天使であった。

 

M-2 Break-out

■たとえるなら、「ハイスタ世代の男子中学生、男子高校生が仲間内でコピーバンドを結成して歌ってみた」。サウンドは安定のハイクオリティなのに、慣れない英詞で歌っている3人のボーカルが軽い軽い! 事務所が手配した曲を歌わなければならないアイドルの仕事って大変やな……。

■こういうサウンドを1990年代生まれが聴いたら、どんなリアクションをしてくれるのか気になる。若い子にとってはダサいサウンドなんだろうか。90年代後半のカルチャーで育った私が80年代サウンドに「だっせえ!」と一蹴するようなもんなのかな。あー、それともONE OK ROCKの亜種として捉えるのかも。

■この手の曲はアラサーの厨二病的な黒歴史を強制的に脳内に蘇えらせるので、ハイスタ世代の私には恥ずかしくてまともに聴けない。流行ったよね、90年代ってミクスチャーとかUKロックとかローファイとか流行ったよね! 中学生の頃、訳も分からずとりあえずRadioheadとかBeckとか聴き倒したもん! 実家の風呂場で湯船に浸かりながらBjorkのハイパーバラッド熱唱したもん! 高校の頃、無駄にヴェルヴェッツのTシャツ着てたもん!  BrahmanとかHasking BeeとかSnail Rampとか聴いてた同じクラスの男子は意外と多かったし! ああ、懐かしいし恥ずかしい。

 

M-3 手のひらのUNIVERSE

本作のベストトラック。AKIRASTARさんってもっとロック色の強い曲を手がけていらっしゃるイメージがあったのだが、こんな空間系をベースにしたバラードも作ってらっしゃると知って驚いた。私の知っているAKIRASTAR作の中では一番好き。騒がしいドラムが奥行きと広がりのあるドリーミーなロックサウンドと合っている。

■空間系エフェクトと相性ばっちりの三宅さんと、真っ直ぐにも横にも広がる岡田さんのために書かれた曲と断言してもいい。岡田さんの高音が伸びる、伸びるぜ! 岡田さんの美しいファルセット*2が響く、響くぜ! これはライブ会場で聴きたいなあ、絶対夢見心地になれる。ボコーダーがかかった三宅さんのトリッキーな歌声、そして岡田さんの伸びるボーカルが乗ったドリーミーな爆音が生で聴けたら……その心地よさを想像しただけでテンションうなぎ登りですよ。

■元祖サイケデリックな音響系バンド、Mercury Revのライブを生で観た時を思い出す。あの時は余りの心地よさが2日間連続で徹夜で仕事した体に直撃し、気持ちよく寝られて幸せになれた。ほんと気持ちよかった。爆音に身を委ねて寝られる幸せってそうそう味わえない。

 

M-4 Foget it all

Jazztronik作ということでワクワクしながら聴き始めたら……なんという「Move Your Body」! どうした野崎良太、私の知ってるJazztronikと違う! 楽曲制作のキックオフ時に「Move Your Bodyっぽいのお願いしますね」みたいな注文でもあったのだろうか。歌詞にも「Move Your Body」って入ってるし。

■それにしても、泣く子も黙るシカゴハウスのアンセム中のアンセムをジャニーズ歌謡として見事にリエディットした彼の仕事は評価されるべきだ。ライブで聴きたら踊りまくるわ。

■森田さん、三宅さん、岡田さんのボーカルが三者三様のハマり方をしているのが面白い。各々の特徴を書き出してみたい。

 森田剛さん
ダンスミュージックの「踊らせるための機能」としての要素を引き立てるかのように、ボーカルがサウンドに溶け込んでいる。こんなシンガー貴重ですよ貴重。ほんと天才だなこの人! DJとコラボすればいいのに。Mondo GrossoUABoA降谷建志とコラボしてたアルバムに森田さんがいたら……とか、そんな妄想が捗る捗る。
Next Wave

Next Wave

 三宅健さん
彼の声が入る/入らないで曲の雰囲気というか、曲の締まり方が変わるという謎仕様が好きすぎる。いいぞもっとやれ! ほんとエフェクティヴな声をお持ちなんだなあと改めて痛感。
 岡田准一さん
岡田さんのボーカルの伸びる要素より広がる要素がフィーチャーされているからか、三宅さんとはまた別ベクトルで曲の持つ "顔" を増やしている。エンジニアさん、ナイスミキシング!

 

M-5 想いのカケラ

■メロウなギターロックと岡田さんの相性の良さに驚いた。そしてこんなメロウな曲もモノにしてしまう三宅さんの全くブレないボーカルも素晴らしい。ほんっと三宅さんはブレんな。V6メンバーによる三宅さんの評価「彼は変わらない」は、こういう点からも伺える、と踏んでいる。彼の "ブレない" は「良くも悪くもいつも通り」ではなく、少なくとも楽曲にとってはプラスに働いているから面白い。

■カミセンの曲のタイトルはカタカナが多かったり、「かけら」が多かったりするイメージがあるな。余談だが、「夏のかけら」という曲がカミセンの曲である事実を数日前に知りました。衝撃だよ……ジュニアの曲じゃねえのか……。「Can Do! Can Go!」がV6の曲と知ったときも驚いたけども。

 

M-6 Precious Song

■こういう軽やかで爽やかなポップスから80年代臭を断ち切れるカミセンの90年代ストリート感は、当時のジャニーズとしては新鮮だったのではなかろうか……と一瞬考えたけど、SMAPが既にオザケンもビックリのフィリーソウルをやってましたね。やっぱSMAPは偉大だわ。もう彼らはリビング・レジェンドですよ。トニセンが歌ったら絶対80年代臭がするんだろうな。トニセンはトニセンで古きよきジャニーズを体現できる貴重な人材だ。

 ■森田さん……あなたは神か。「誰の目に映りこむようなメロディ」の「よう "な"」で強めに歌ってらっしゃる森田さん……あなたは神か。ほんと、このアクセントが神がかっている。彼は凄い。凄すぎる! こういう神業を他の曲でもガンガン聴きたかった。

■正直に申し上げると、この曲自体、アルバムのシメとしては弱い。飲み会の最後にラーメンやご飯もの、デザートを注文せずに解散する物足りなさと似たような感覚に陥った。恐らく、通常盤に収録されている「ファイト」が本来のアルバムのシメなのだろう。これは「お前ら通常盤も買えよ」というavexの思し召しか。

 

 

ソロCD盤 2枚目 ディスクレビュー

M-1 You Are My Everything / Go Morita

■リズミカルにR&Bを歌えるジャニーズは森田さんだけ! パーカッシヴなボーカルとメロディアスなシーケンスの相性は抜群。柔らかい音の数々が森田さんのボーカルのスイートな部分を引き立てている。高音を引き立てるための高音かあ……このアプローチは見事。

■しかし、曲のインパクトが森田さんのボーカルより弱いとは一体どういうことなの。せっかくのソロ曲なのに、『Oh! My! Goodness!』で味わえたエッジがほぼほぼ感じられないなんてもったいない! もうちょっと尖がったトリッキーな曲で歌う森田さんが聴きたかった。尖ったR&Bは幾らでもあるはず。

 

M-2 4U / Ken Miyake

■三宅さんもまさかのR&B! 2枚目ディスクの中では一番好きだ。ビートがよい。

■カミセン名義のソロだからこんな爽やかR&Bが歌えるのかなあ。爽やかなメロと吐息が多めのボーカルが軽やかさを演出していますね。歌い方がいつもと違うのは、そういうディレクションがあったからだろうか。ちょっとコミカルな妖精キャラに徹する三宅さんが本気を出したらめっちゃセクシーなんですね。

 

M-3 Shall We Love? / Junichi Okada

■V6の「GUILTY」程ではないにせよ、元ネタが分かりやすい。ところどころで挟ってくるJustin Timberlake「Sexy Back」のコーラス "Take it to the bridge" っぽいのがじわじわくる。なんて言ってるのかな……一度だけ挟まる剛健コンビの "Take it to the future" が別ボーカルで全編に渡って挟まっているのか? あと、リズムトラックもどっかで聴いたことあるんだよなあ。何だろうこのデジャヴ。

■このトラックを岡田さんに渡したスタッフ判断に拍手。いろんな意味で力の入ってないボーカルが弦楽器のように伸びるため、メロディアスなシーケンスは不要なのだ。ビートとリズミカルなストリングだけのトラックで岡田さんの良さが味わえる貴重な一曲。

 

 

その他

■下記URLの「Hello Good-bye」レビューも面白いです。ただし、全部英語で書かれていますので注意。

■下記エントリのレビューで一番笑ったのは、「三宅健が10歳児の声を持っていることはよく知られているが」というくだり。さすが世界の健ちゃん(36)、海外の方とってあのアニメ声は10歳児のそれと変わらないのか。あと、通常盤のみ収録されている「ファイト」のレビュー「最後の30秒がひどい(要約)」が私に通常盤を買えとせかしている。どのくらいひどいのか逆に興味あるわ。

Baby girl, you blow my mind. [Coming Century’s Hello-Goodbye] | 無礼講⇒ナイト

 

*1:いや、岡田さんはリズム感のよい人ですよ。リズム感がよくないと名優になれません。

*2:

上記エントリで「岡田さんのファルセットが聴ける曲を教えて下さい」という要望にコメント欄で答えていただき、誠にありがとうございます。無事美しいファルセットが拝めました。

Coming Centuryのボーカルについての超絶雑な感想

■ちょっと奥さん、Coming Centuryのミニアルバム『Hello Good-bye』がかなりの名盤なんだけど一体どういうことなの!? ええとですね、ひたすら首都圏を駆け回ったところ、まさかの『Hello Good-bye』、しかも2枚組の初回限定盤が購入できました。嬉しかった……! っていうか、どの中古屋にもV6のCDやDVDがないんですよ、2014年末からじわじわきてるV6ブームが影響して、中古CDや中古DVDがごっそり狩られているのだろうか。トニセン名義のアルバムを見つけられなかったのが本当に悔しい。

 

■『Hello Good-bye』レビューは後から書き綴るとして、取り急ぎカミセンのボーカルについて追記したい。

 

 

(1) 森田剛さん

■最近のV6では三宅さんと共にアクセント的役割を担っているが、トニセンが不在のカミセンではアタッカーとしてV6より活躍せざるを得なくなる。あの、エッジの効いたハイトーンボイスが存在感を増すのだ。さすがカミセンのリーダー、もう曲を支配している。

■森田さんのハネたボーカル(と三宅さんのキャラメルボイス)を生かした曲が多いのは、スタッフ一同が「カミセンは90年代っぽさで攻める!」と戦略を立てているからなのだろうか。森田さんのリズム感とカミセンの良さを引き立てるには申し分のない楽曲の多さに頭が上がりません。もっとカミセンはカミセン名義で活動してくれ! 貢ぎたくても貢げないこのジレンマをどうすればいいんだぜ!

■ここまで褒めちぎっておいてなんだが、私はもちろんカミセン森田さんも相当好きだ。しかし、やっぱりV6森田さんには敵わない。彼のエッジは歌唱力の高いトニセンがいてこそ輝くと思っているからだろう。いずれにせよ結論は「森田さんは天才」。

 

(2) 三宅健さん

■V6ではアクセントとして機能するアニメ声が余計に響き渡りますね。V6でもカミセンでも変わらない彼の存在感はマジで異端。

■大体、ボーカルグループだけでなく、部活の部員や会社の部署のメンバー、家族等のチームメンバーが増減すれば、各々に与えられる役割やキャラクターが変化するものなのだ。現に森田さん、特に岡田さんのボーカルはV6とカミセンとでは印象が違う。しかし、三宅さんは相変わらずあの圧倒的アニメ声でもって曲を彩っている。このブレない強烈なボーカルとキャラクターはV6の家宝として崇め奉られるべき。

 

(3) 岡田准一さん

■皆さんはどの岡田さんが好きですか? 役者の岡田さん? バラエティ番組での割と饒舌な兄やん岡田さん? 変態を包み隠さない最近のV6岡田さん? 反抗期真っ只中のツンで寡黙なV6岡田さん? 私はカミセンの岡田さんがダントツで好きだ。

■カミセン岡田さんの真っ直ぐに伸びて横にも広がる低音がとんがった剛健コンビのハイトーンボイスを支え、しかも包み込んでいる事にお気づきだろうか。V6の場合、「声が伸びるってレベルじゃねえぞ!」のトニセンが鎮座しているため、岡田さんがそもそも持っているボーカルの魅力には(私は)気づけなかった。剛健コンビをそっと見守る最年少とか……岡田さんマジSP! カミセンの岡田さんがもっと聴きたいし観たい! カミセン再始動、心よりお待ちしています。マジで待ってます。

■ラップパートが多いカミセンの曲は、当然岡田さんにもラップパートが振り分けられますよね。もう、岡田さんのヘタウマラップがかわいすぎて……上手いんだけど、完璧に曲にノれていない――しかもちょっと関西イントネーションが滲み出る彼のラップを聴けば聴く程カミセン岡田さんにのめり込んでいく……ほんとカミセンの岡田さんかわいい。天使ですよ天使! 岡田担はもっとカミセンを聴くべき!

 

V6 『Oh! My! Goodness!』 通常盤 レビュー

総評

■ダサい音で大人気ない悪ふざけを極めても圧倒的かっこよさを放てるのはV6だけ! 間違いなく名盤。文句なしの傑作。こんなん聴かされたら次回作が待ち遠しくなります。次回作ェ……次回作が聴けるのは何年後ですか! 来年にでも聴きたい! っていうか今すぐ聴かせろこの野郎! 無茶を言っているのは百も承知ですよ。

 

■往年のファンにケンカをふっかける勢いで体を張って挑戦しまくっているのが本作の醍醐味ではなかろうか。無難な着地点、無難なカッコよさに収まることなく、むしろ「ああでもねえ、こうでもねえ」とトライ&エラーを繰り返しながら突き詰めたであろう結果がこのクオリティであると仮定するならば、スタッフを含むプロジェクトV6のプロジェクトチームは相当信頼に厚く、チームメンバー同士が互いを刺激をし合っていて、チームとして円熟期を迎えているのでは、と勝手な妄想をしてしまいたくなるほどだ。

 

■逆に言えば――社会人であれば身に染みるほど経験していらっしゃるだろうが――プロジェクトチームの信頼関係が強固なものでなければ、既存製品の大規模改造を試みたところで、確実に失敗するのだ。メジャーバージョンアップはプロジェクト発足時(本記事でいうところの『Oh! My! Goodness!』製作開始時)こそ危険であり、この辺りで既にコケる要素が幾つも誕生する。V6に立ち返れば、「kEEP oN.」が好例だ。この曲の完成まで5ヶ月ほどを費やされたそうだが、結果としてコケるどころかエポックと呼ぶべき名曲にまで仕上げたV6とスタッフのパワーと能力には恐れ入る。こんなプロジェクトチームメンバーと働いてみたいぜ……。中年になっても挑戦を恐れないV6には「かっこいい」以外の言葉が見つからない。私もこういうBBAになりたいものである。

 

■サウンドにおいては「ボーカル入りの曲は全てインストも買わせてくれ!」とavex traxジャニーズ事務所に喚き散らしたくなるほど濃いトラックばかり。いや、サウンド自体はもれなく、この上なくダサい! 心して聴かなければダサすぎて聴いていられなくなる曲が多い。しかし、関ジャニ∞経由でジャニーズ歌謡を知って一年が経とうとしている現在、ジャニーズ歌謡ならではのダサさに耐性がついてしまったおかげで、あからさまにダサい要素がないJ-POPに興味がなくなってしまった。

 

■V6のメンバーが楽曲制作にかなり関わっていると聴いているが、V6メンバーが、とりわけV6の外交官であらせられる井ノ原快彦さん a.k.a イノッチがどの程度楽曲製作に関わっているか気になる。そして、KinKi Kidsに負けない機材をお持ちと聞いて、イノッチが所有するスタジオがどれくらい豪華なのか本当に知りたい。ProToolsを持っていらっしゃることは下の記事で知れてよかった。余談だが、MPC使いのTOKIO長瀬智也さんは、今はもうパソコン制作に移行してらっしゃるのだろうか。

 

 

 

通常盤 ディスクレビュー


M-1 omg!

■初っ端から聴こえる子供の声は反則やで……かわいすぎる。「今から80年代ディスコはっじまっるよー!」という三宅健さんの声が聞こえそうなアシッド・サウンドでの幕開けに初っ端から期待値が上がる。

 

M-2 Supernova

■120点のリードトラック。アタックの強いコッテコテなシンセがまたV6らしくてよい。こんな難しい歌が歌えるV6はアイドルのレベルを越えている。

森田剛さんのグルーヴには感動さえ覚えたが、岡田准一さんもしっかり刻める人なんだなあと窺い知れてよかった。ラテンテイストが混じるBパートの刻みっぷりも相当だが、歌唱力において安心と信頼のトニセンが歌うことによって安定感がもたらされるという……何この仕様。何度も言うが、もうアイドルってレベルじゃねえぞ!

 

M-3 BING♂

■初めて聴いた時はあまりのダサさに震えたが、『Oh! My! Goodness!』にはもっとダサさを極めた伏兵に恐れおののくことを当時の私は知る由もなかった。タイトルのダサさがさすがジャニーズ、80年代ファンク(っていうかプリンス)を現代の機材でリアレンジしたかのようなサウンドと、おっそろしく難解なメロはもはやジャニーズのレベルを超えている。これをライブで歌えるV6は凄い。

■この曲のMVPは確実にイノッチ。まるでプリンスのような美しいファルセットを聴かせて頂けるとは。何この人、天才かよ……。イノッチのよさは、あさイチで魅せる人柄だけではないということか。

■井ノ原さんの過密労働っぷりに隠れているが、森田さんのラップも素晴らしい。三宅さんののっぺりとした声も面白いは面白いのだけど、森田さんはタメといい発声時の吐息の量の調節といい、もう本当に神がかっている。森田さんもまた天才なんだよなあ……。V6って恐ろしい人材の集まりなんですね。

■あと、長野博さんを隠れMVPとして推したい。「♪どんな人生もいつか BINGO!」と声を張り上げる長野さんのかわいらしさにキュン! 長野さんに濃いヲタが多い理由を垣間見た気がした。嵐における大野さんとか、NEWSにおけるマッスーとか、関ジャニ∞における丸山さんとか、Hey! Say! JUMPにおける有岡さんとか、濃いヲタホイホイ枠なんだろう。

 

M-4 Sexy. Honey. Bunny!

■タイトルの元ネタが『パルプ・フィクション』における名台詞「I love you, honey bunny.」と知って驚くなど。元ネタはきっと映画監督でお馴染みのヴィンセント・ギャロが、天才あるいは変態としか契約しないことで有名なイギリスの老舗インディーズ・レーベルWarp Recordsからリリースした『When』に収録されている「Honey Bunny」だと勘違いしていた。プログレオタクで機材オタクでもあるギャロが作った『When』は音作りからして変態で、終始退廃的な雰囲気に包まれており、ギャロに興味をお持ちでない方も一度聴いていただきたいくらい素晴らしいです。もしかしなくてもヴィンセント・ギャロの「Honey Bunny」も元ネタはパルプ・フィクションなんだろうな。

■サウンドに関しては、小道具と化したカウベル(?)が好き。この手のパーカッションは間の抜けた雰囲気になりやすいだけに扱いが難しいが、この曲では間が抜けてナンボだと思うので、割と素直に扱われている点が好感度高し。

 
M-5 Maybe

■散々悩んだが、本作のベストトラックはこれにしたい。音数が少ないトラックを無条件で好きになる私には堪らないのだ。

■この曲のMVPは間違いなく森田さん。出だしのヴァースが完璧すぎて……もうね……! 何なのこの人! 正直、森田さんは「学校へ行こう!時代=ギャル男」「最近=ジャニーズというよりEXILE TRIBE」というイメージしかなかった私は、彼を完全に舐めていた。音数の少ない、いい意味でスッカスカなトラックでハネて歌う森田さんのリズム感は一体何なの! 彼は間違いなく天才ですよ。曲を完全に理解しているというか、どんな曲でもカウントを正確に取れるというか、独特のリズム感をもっているのだろう。森田さんの歌は「歌っている」というより「リズミカルにビートを刻んでいる」に近い。同じメロを歌っていても森田さん以外のメンバーはちゃんと歌っているように聞こえるが、森田さんはリリックを乗せているように聞こえるのだ。もう凄いわ……こんなパーカッシヴな人いませんよ。

■トラックに関して。これ、どれも音がクリアに処理されているからR&Bとして聴こえますが、ヴァース部分はBPMをいじったり、サウンドにいろいろエフェクトを施したら、MySpaceがミュージシャンの名刺として用いられていた時代(2008年前後)に流行した宅録っぽい音になって、また趣が変わりそう。

 

M-6 only dreaming

■メロウなミディアムバラードの後ろで鳴るエフェクトがめちゃくちゃ気になる。トラックが本当に凝ってるよなあ。曲も素敵。

■Bメロのコーラスが凄いんですがそれは。誰が担当しているのだろうか。

 

M-7 D.I.S

■だっせええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ダサすぎてダサすぎて震える(©西野カナ)ほどダサいシンセで幕を明けるディスコチューン。のっけからダサすぎて鳥肌が立った。驚くほど80年代ディスコなところがジャニーズグループらしくてよい。スラップを効かせたベースがファンキーさを醸し出してますよね、これはいい。

■この曲のMVPは長野さんでしょう! 長野さんのボーカルと80年代ディスコサウンドの相性が異常に良いのはなぜなんだぜ。ボーカルに透明感があるから、小うるさいディスコにもなじむのかな。肌の奥まで浸透する化粧水、というたとえはちょっと変か。

 

M-8 エキゾチック・トリップ

■これもダサいけど、前トラック「D.I.S」に比べれば……でもダサい! 恐ろしくダサい! 国籍不明の縦ノリなサウンドと出だしの歌詞「かき混ぜたジャンクフード」が嫌という程マッチしている。曲の頭とケツがシルクロードを感じさせる倍音でシメるこの謎仕様。

 

M-9 バリバリBUDDY!

■なんという関ジャニ∞テイスト! 「どうしてこうなった」タグを付けるべき壮大なネタ曲。ただ、コミックソングとして処理するにはもったいない。右往左往する忙しいアレンジだが、インスト聴いた限りではトータル面白いのですよ。

 

M-10 大人Guyz

■このファンキーさ大好き! これは本当に名曲だと思う。正直、ベストトラックに挙げるか否かで迷いに迷った。Pファンク魂が炸裂してたかどうかはさておき(Pファンクってファンカデリックほどではないにせよ、そこそこどぎつくファンク)、ポップネス溢れるオケ、そしてポップネスを支えるファンクネスがいいバランスで鳴っている。ファンク・サウンドが際立っていた当初の仕上がりを、三宅さんの提案によりポップスに近づけることとなったそうで、三宅さんの選択は正しかったと言えよう。

■歌詞と言いサウンドと言いミュージックビデオと言い、トータル遊び心に満ち溢れているが、決して子供っぽくないところが素晴らしい。Perfumeの振り付け師MIKIKO先生のお言葉をお借りするならば、「大人のチャーミング」をV6が試してみたという感じ。いやほんと魅力的です。

■大人GuyzはGraham Central Station「Pow」のような雰囲気があるという記事がタワーレコード札幌ピヴォ店のブログに掲載されていましたので、取り急ぎ紹介しておきます。確かにPファンクよりこっちの方が近いわ。

 

M-11 ROCK YOUR SOUL

■このダサさ……さすがジャニーズ! 最高の歌唱力やダンススキルを兼ね備えていたとしても、やっぱりジャニーズ! 腐っても彼らはジャニーズ! 何にダサさを覚えているのか分からないので整理したい。まずメロ。ロック歌謡が既にいい意味でダサさを引き出している。あと、アレンジ。ここまでダサくせんでもというギターリフとシンセ。このアレンジ以上にもっと隙間なく音が詰まっていたら……そう、それは浅倉大介坂本昌行さんの歌唱力が影響して「♪ROCK YOUR SOUL~!」がB'zっぽくなる点もかわいらしいじゃないか。ほんと坂本さんかわいい。One Dishかわいい。

■ダンサブルなロックものならTriceratopsや10年前に流行したポストパンク・リバイバルみたいな荒削りなサウンドの方が好きという個人的好みも相まって、好きか否かで訊かれたら否ですが、こういう曲は坂本さん&井ノ原さんの伸びるボーカルの聴き応えがあって、V6としては絶対必要。

■しかし三宅さんのボーカルは切り込み隊長としての役割を十二分に果たしていますね。曲を切り裂くキャラメルボイスはもはや武器。

 

M-12  線香花火

■想像以上にストレートなバラードで驚いた。ジャニーズのアルバムにありがちなバラードではないにせよ、捻りに捻った曲が多いからか、後に控えている「kEEP oN.」に備えてここらで一休みという意味も込められているのだろうか。

■長野さん&イノッチのコンボの美しさたるや。もちろん坂本さんのボーカルも美しいんですが、ヴァース1の美しさはマジヤバい。結論としては、トニセンマジヤバい。

 

M-13 親愛なる君へ

■80年代ディスコに乗せる歌詞じゃねえぞ! ディスコ歌謡には違いないのに剛健コンビのラップパートで突然90年代にタイムスリップするのが面白い。岡田さんもいい感じに90年代に戻してくださるラップでしたが、井ノ原さん担当するラップパートが若干80年代に戻るのも面白い。

■80年代ディスコ歌謡と長野さんの相性がよすぎてめまいがしている。長野さんって本当に80年代の方なんですね。こりゃすげえわ。

 

M-14 kEEP oN.

■問題作にして傑作。シングルでなければ迷わずこれをベストトラックとして挙げていた。

■制作期間5ヶ月という、たった一曲のプロジェクトにしては余りにも長すぎる工程から生み出されたとは思えないほどロック・オペラとして完成されている。ロックオペラをアイドルが歌うのだから、そしてアイドルが歌いこなしてしまうのだから、この曲はJ-POP史を越えて日本音楽史に残したい事件だ。エレクトロをベースに、オペラを頭をケツに配置されたことによって曲を引き締める弾き語りパート、ミュージカル仕様(ほんとこれは事件)、豪華なオケと共に披露される合唱曲のようなポップス仕様、剛健コンビお得意のラップパートが縦横無尽に飛び交っている。「何か面白いことを仕掛けてやろうぜ!」がまんま形になったというべきか、パンドラの箱を開けたかのように予期せぬ楽曲が目まぐるしく展開された結果、最後に残るのは「俺の/私の知ってるV6と違う……」と度肝を抜かれたリスナーだけだ。

■この手の曲にありがちなヒャダイン的パッチワーク感がない辺りさすが。ヒャダインは異なるジャンルの短めの曲をミシンを使って超高速で縫い上げるパッチワーク感ゆえにリスナーを疲れさせるきらいがあるが、kEEP oN.は相当練られていると言うか、DJがイベントに向けて制作するリミックス曲(というかマッシュアップか)に近いものがある。これ、歌割りにしろ曲展開にしろ、相当計算されてるぞ。そのため、あちこち曲のテイストが飛んでも壮大な一曲として聴けてしまうのだ。

■とりあえず発想の元ネタとして提案されたらしいプリンスの曲を貼っておきますね。

 

M-15 orz...

■公式が作ったMADの音声部分キター! 映像部分は初回盤に収録されているのだろうか。Perfume非公式MADの「俺ロコモコ丼」を思い出しました。